企業取組紹介
2025.03.31
女性・障がい者・高齢者等の雇用
人財確保をめざしてグローバル人財などの外国人を雇用。監督職として活躍する社員も
広島化成株式会社

- 住所
- 広島県福山市松浜町2丁目2番11号(本社)
- 従業員(構成員)数
- 367人(内、女性 57人・外国人 44人)※2025年3月時点
- 事業内容
- 工業用ゴム製品、シューズ、合成樹脂製品の製造・販売(「くるみん」認定取得企業)
ここがグリーンなポイント!
- 積極的な外国人雇用で自社が求める人財を発掘
- グローバル人財雇用の実績が、新たな人財採用や後輩外国人社員に好影響
- 細やかな対応で言語や文化の壁を取り払い、国籍意識のない対応で円滑なコミュニケーションを確立

広島化成株式会社では採用難・人財確保の対策として、外国人雇用に活路を見出しました。2016年から一般の外国人採用のほかに、技能実習生の受け入れ、さらに『広島県ものづくりグローバル人財育成協議会』や広島大学などと連携して、異文化理解や多様な価値観への尊重、国際的な課題に対応できる柔軟性・語学力・コミュニケーション能力を持つ“グローバル人財”を積極採用。
産学官連携機関を通して外国人雇用に着手
同社は1947年、自動車の更新(リトレッド)タイヤやチューブの製造業として創業しました。その後、総ゴム草履・総ゴム靴・布靴の製造で飛躍。現在は工業用品・シューズ・化成品の3事業を柱にしています。
半世紀以上経営を続ける中で、近年では日本人の新卒採用が難しくなってきました。少子高齢化が進み、求人に対して人がなかなか集まらず、自社の希望に見合う人財を国内だけでは見つけづらい状況。人財確保は急務で大きな課題となっていたのです。そこで、活路を見出したのが外国人雇用です。
2015年ごろ、現地製造・現地消費の観点で、インドネシアへ関連企業の設立準備を始めていた関係で、広島県庁の外国人担当者から福山市に在住するインドネシア人の紹介を受けました。このことがきっかけで産学官が連携した『広島県ものづくりグローバル人財育成協議会』へ加盟。そして、2016年から同協議会を通じて外国人雇用を本格的に開始したのです。
『広島県ものづくりグローバル人財育成協議会』は、高度産業人財としてのグローバル人財の育成と、県内企業への就職を進めることを目的に広島県が設立。広島県内企業、広島大学、広島県の産学官が連携し、各国大学における優秀な留学生の掘り起こしをはじめ、育成、県内企業への就職推進などの取組を行っています。

産学官連携機関の協力の下、グローバル人財を積極的に採用しています
先輩外国人社員の活躍が新たなグローバル人財獲得に貢献
福山市の本社で働く外国人労働者は、アルバイトを含めて約50人に上ります。全社員約400人の約12%にあたり、大きな戦力として活躍中です。
外国人労働者約50人の内、グローバル人財と呼ばれる『技術・人文知識・国際業務』で入社した社員が5人、技能実習生が16人います。結婚している方や、留学生がアルバイトとして働いているなど、雇用形態も様々です。
グローバル人財として入社した一人が、工業用品事業本部のグローバル開発・設計・技術グループ 設計・開発課に属するステファノ・クリストフォルス・セバスティアン係長。インドネシア出身で、2018年から同社で働いています。

工業用品事業本部 グローバル開発・設計・技術グループ 設計・開発課 ステファノ・クリストフォルス・セバスティアン係長(インドネシア出身)
2024年に勤続6年目となるステファノさんは、社内はもちろん、取引先等の社外からの信頼も厚く、現在は監督職として活躍中。
「私が入社した当時、先輩となるインド出身の外国人社員の方が一人いたので、安心して働けました。文化の違いなど、いろいろな注意点を教えてもらい助かりましたね。仕事の内容は私との相性が良いと感じていて、とても楽しいです」と、ステファノさんは振り返ります。
「大変だったのは、やっぱり言語ですね。日本語の勉強はしましたが、まだ会話をする上では未熟な面がありました。実際に仕事で話すとなると難しくて。そのときに外国人の先輩が英語でサポートしてくれたので、とても助かりました。」
ステファノさんの活躍は、後輩となる外国人社員の目標となっています。また、長年活躍している外国人社員が実際にいることは、新たなグローバル人財の採用においてもプラスになっています。
協議会や大学と連携してグローバル人財を発掘
広島化成ではグローバル人財をどのように受け入れてきたのでしょうか。
2016年に『広島県ものづくりグローバル人財育成協議会』に加盟すると、同年にさっそくグローバル人財の受け入れを検討しました。同協議会に協力している広島大学と連携し、まずは、インド出身の学生1人へ会社見学を実施。続いて同学生をインターンシップとして受け入れるなど交流を重ねました。そうして、同学生はグローバル人財として広島化成へ入社するに至ったのです。
2016年以降は約2年ごとにグローバル人財が入社しています。2024年には、インドネシアとベトナム出身者の2人と、協議会とは別のルートとなる専門学校からネパール出身の学生1人が入社。この学生は、同社で2年のアルバイト経験を経て、就職活動で同社の採用試験を受けて見事に合格し、卒業後にそのまま働いているケースです。
技能実習生の単独受け入れとグローバル人財拡大をめざす
広島化成ではこれまで、監理団体を通じて技能実習生を受け入れてきましたが、2025年度からは企業単独型での受け入れを始めます。インドネシアにある子会社から技能実習生を受け入れる形です。
「自社で技能実習生を無事に受け入れられる準備の完遂が直近の目標です。日本で技術や知識を磨いて、母国に戻り、活躍してほしいと思います。また、グローバル人財をもう少し増員できればとも思っています。外国人採用にこだわっているわけではありませんが、日本人の新卒採用は難しい状況が続いているため、海外の高度産業人財の活躍に期待を寄せています。」

2024年現在、広島化成ではインド、インドネシア、ネパール、ベトナム出身のグローバル人財5人が活躍中
言語や文化の壁という課題には、細やかな対応を
外国人雇用で一番とも言える課題が、言語の壁です。
グローバル人財は、日本語の教育をある程度受けているため、日常業務は日本語で対応できる能力を持っており、業務内容を伝える際には、各部署にいる業務を教えるベテラン社員が、表情を見ながらコミュニケーションを取り、分かりやすい日本語で説明したり、一緒に作業したりすることで伝わるよう対応しています。
しかし、業務内容によっては専門用語など難しい日本語を用いることがあるため、説明が難しくなることもありますが、このような場合には、外国人社員の公用語、または、英語が話せる社員に通訳をお願いすることで対応しています。
また、もう一つの課題が文化の壁。
「例えば、イスラム教徒の場合は、お祈りの時間があります。弊社の関連企業では、お祈り用の部屋を設けました。そこで本社でもお祈り部屋の設置を進めています」と、管理本部 総務グループ 総務課 藤村飛華(ふじむら あすか)さんは話します。

右:管理本部 総務グループ 総務課 藤村飛華さん
往々にして日本では当たり前のことが、他国では当たり前ではないことがあります。出勤や休憩、休日に関することなど、些細なことでも認識が違うことがあるため、その都度、説明していく作業が求められるのかもしれません。
同社には先輩外国人社員がおり、後から入社する外国人社員への良いお手本になってくれていることが、大きな助けとなっているそうです。
外国人社員にも日本人社員と同じ対応で関係を構築
2016年から外国人雇用を本格的に始め、年々外国人社員が増えている同社。外国人社員が増えていく中、日本人社員は戸惑うことなく、特別扱いをすることもなく、日本人社員への対応と同じように外国人社員に接しています。また、外国人社員も食事会や忘年会などのイベントへ積極的に参加するなど、国籍関係なく各々が適切な距離感で社員同士のコミュニケーションを楽しんでいます。
「日本人や外国人という国籍は関係なく、『常に顧客に愛される製品を生産し、企業の健全と従業員の福祉を図り、職域を通じ社会奉仕すること』との経営理念のもとで社員が一致団結し、活き活きと明るく楽しく前向きに仕事に取り組んでいける環境づくりを心掛けたいです」と、管理本部 総務グループ 総務課 課長 麻生 由香里(あそう ゆかり)さんと藤村さんは語ってくれました。
※本記事内容は2025年1月取材時の情報です。