企業取組紹介
2025.03.31
働きやすい職場環境の整備
多能工化と在宅ワーク導入で育児休暇取得率100%を実現し、離職率が低減
株式会社オーザック

- 住所
- 広島県福山市鞆町後地26番地229号(本社)
- 従業員(構成員)数
- 38人(内、女性 9人・外国人 0人)※2025年1月時点
- 事業内容
- ワイヤロープ用ロープ端末金具、調整及び連結金具/産業機械用吊り具等の設計及び製造販売
ここがグリーンなポイント!
- 育児休暇制度を整え男女ともに育児休暇取得率100%を達成
- 多能工化などで生産性を保ちつつ社員が休暇取得しやすい体制構築で離職率を低減
- 生産管理システムやクラウドツールの導入で年間約3,000時間の作業時間を削減

インフラや産業を支えるためのワイヤーロープ端末金具・産業機械用吊り具等金属製品の設計・製造販売を行う同社では、約25年前から、女性が結婚や出産後も働き続けられるようにと、職場環境改善の取組を進めてきました。
男性を含めた育児休暇の取得を支援する制度が整備されてからは、育児休暇の取得率100%を達成。完全週休二日制や多能工化、デジタル技術の活用など、多面的なアプローチによって誰もが安心して働ける環境づくりをめざしています。

「女性が辞めざるを得ない」現状への疑問を持ったのがきっかけ
代表取締役の西山 基次(にしやま もとつぐ)社長によると、女性がキャリアを続けにくい世の中に疑問を持ったのは2000年頃。当時総務部長だった岡崎 瑞穂(おかざき みずほ)さんの思いが大きかったといいます。
「結婚や出産で仕事を辞めざるを得ない風潮が当たり前だった。それを変えたい」という思いが社内の制度改革の第一歩になりました。

代表取締役社長 西山 基次さん
完全週休二日制や多能工化、デジタル技術の導入で離職率を低減し生産性を維持
1998年に年間育児休暇制度を制定し、2011年に働きやすい会社をめざし、社内の意見を集約する目的で「社内職場改善委員会」を発足しました。翌年の2012年から完全週休二日制を導入し、2017年には次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画を策定。
子どもを一時的に預けられるキッズルームの開設なども行い、社内の機運を高め、男性を含む育児休暇取得率100%を実現しました。

キッズスペースは事務所に接するところにあるので、事務所からいつでも覗けます
生産力低下の課題は、職場改善委員会と多能工化で構築した“休みやすく効率よく働ける仕組み”が解決
週休二日制を導入した直後には生産力が落ち込むという課題がありましたが、「もう一度チャンスがほしい」という現場の意見を尊重して計画を練り直し、多能工化によって生産が止まらない仕組みを整えたことで休暇と生産性の両立に成功しました。課題解決に対する具体的な取組は次のとおりです。
<多能工化で担当者不在でも生産を止めない>
一人一台の作業形態を見直し、複数人が複数工程を扱う多能工化を導入しました。
話し合いなど手間が増える側面もありますが、担当者の不在や急な休みでも生産を継続できるようになったため、結果的に社員が休みを取りやすい職場づくりに寄与しています。
<職場改善委員会で不満を提案に変える>
2011年に発足した「社内職場改善委員会」では、当初、不平不満が多く寄せられました。
「まずはすべてを受け止める」方針を貫き、受け入れが難しい提案には理由を丁寧に説明。受け入れられるものは積極的に制度化することで、社員が自主的に意見を出し合い、提案の質が向上していきました。

デジタル技術の活用で年3,000時間の削減を達成
2017年からは在宅ワークを導入し、コロナ前から育児や介護など多様な事情を抱える社員を支援。
基幹システムの入れ替えによるExcel作業の削減なども含め、年間3,000時間もの作業時間を削減し、業務効率化に成功しています。

オフィススペースは、IT会社でよく使用されるハイバックのオフィスチェアを導入
コミュニケーションの活性化により社内イベントも開催
取組の結果として、育児休暇制度をはじめとする福利厚生の充実や、完全週休二日制の定着、ボトムアップによる改善の活発化が挙げられます。
離職率の低減と若手・女性の採用増加が実現しただけではなく、社員とその家族が参加するウォーキングイベントやバーベキューなどの社内イベントを開催しています。
理念をデザインしたグッズの配布や、オフィスリニューアルにより、社員が自分の会社を誇りに思えるムードが高まっています。

自社のパーパスや歴史を英語で記したデザイン

会議室にはカフェのようなテーブルやソファを配置
今後は障がい者雇用や教育支援で多様性をさらに追求
同社では、障がいのある方をはじめ、多様な人が当たり前に働き続けられる環境をめざしながら、社員が活躍するための教育の機会や学びの仕組みを整えたいと考えています。
パーパスに「調和」というキーワードを掲げ、会社の中だけではなく社会全体に対してポジティブな影響を与える存在になるという思いを胸に進んでいきます。

パーパス(社会における存在意義)
社員が生き生きと働き続けられる企業文化を社会へ広げる
株式会社オーザックは25年前から女性が働き続けられる環境づくりをはじめ、男性の育児休暇取得率100%や完全週休二日制、多能工化、デジタル技術の活用など様々な取組を重ねてきました。その積み重ねが離職率低減や採用力向上につながり、結果として会社全体のモチベーションも上昇。今後は障がい者雇用やグリーンな企業プラットフォームでの連携を通して、誰もが自分らしく働ける環境を福山市鞆町から広げたいと考えています。

テレワーク勤務時には、映像と音声で本社とコミュニケーションをとります
職場環境の改善にあたり連携や活用した補助制度はデジタル化に向けた補助金
同社では、国や福山市の補助金を活用してきました。
「書類の準備など面倒さはありますが、税金を適切に使うためなので、仕方ない気がします。市の補助金はライトに活用できてありがたいです」と西山社長。
福山市の「生産性向上設備等導入支援事業補助金」や「女性の働く環境改善補助金」などを活用し、在宅ワークやシステム導入などへの費用負担を軽減。これにより効率的なデジタル化が進み、社員の働き方の柔軟性がいっそう広がっています。
※本記事内容は2025年1月取材時の情報です。