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ストーリー
耕作放棄地活用とIoT導入によるハーブの6次産業化で地域を元気にする「Herbal Style」


耕作放棄地でのハーブ栽培が環境保全に
株式会社 Herbal Style(ハーバルスタイル)は、福山市沼隈町下山南にあります。主な事業は、アロマサロン運営やアロマスクール運営といったアロマ事業 のほか、ハーブ製品の製造・販売事業などです。
Herbal Styleでは、ハーブの6次産業化に取り組んでおり、ハーブの栽培から商品開発・製造・加工・販売までを行っています。また、ハーブの栽培には、地元・沼隈町の耕作放棄地を活用しており、地域の環境保全やシニアの雇用などにもつなげています。
さらに福山大学との連携により、IoTによる農業を取り入れ、効率的な作業を実践しています。また、食用バラの生産者からバラを買い取り、商品化して販売するなど、地元の一次産業との連携も行っています。
同社代表取締役の宮澤 知子(みやざわ ともこ)さんに話を聞きました。

きっかけはハーブ栽培による有害鳥獣対策
Herbal Styleが創業したのは2009年。当時は福山市沖野上町で、アロマ事業を中心に展開していました。転機が訪れたのは2019年ごろだったといいます。
「沼隈町では、イノシシ等の有害鳥獣による被害が問題になっていました。アロマ事業でハーブを扱うこともあった私は、ハーブについて調べていくうちに、イノシシ対策としてハーブが有効だということを知りました」
ハーブは地中で広範囲に根を張るため、ミミズが生息しにくくなるそうです。ハーブを植えた畑はミミズが少なくなり、その結果、ミミズを捕食するために出没していたイノシシが、畑に現れることが少なくなりました。
このことから、ハーブに可能性を感じた宮澤さんは、ハーブの事業化を考えます。そして2022年、「第6回 中国女性ビジネスコンテスト」に応募し、優秀賞を獲得しました。これをきっかけに、Herbal Styleはハーブ事業を本格的に始動させ、2023年に法人化しました。

地元住民の協力を得て60種超のハーブを栽培
ハーブ事業を開始し、最初は宮澤さんの生まれ故郷である沼隈町下山南の大迫(おおさこ)地区にあった、実家の耕作放棄地でハーブ栽培を始めました。その後、地区内にある別の耕作放棄地を購入しハーブの増産に取り組むとともに、耕作放棄地のハーブ畑化による環境保全を進めています。
「現在、弊社が所有するハーブ畑は約7反(7,000平方メートル)です(2026年1月取材時点)。ハーブ栽培は自社スタッフ3人に加え、地元住民の方にも協力していただいています。さらに、ハーブを自身の畑で栽培し、弊社へ納品してくださる住民の方も増えました。みなさん積極的に楽しみながら、パワフルに作業をしていますね。ハーブ事業は、地元のシニア雇用にもプラスになっています」
製造する商品はハーブティーやハーブコーディアルなどの食品のほか、キャンドル、石鹸、化粧品、ギフトセットなど。商品は、オンラインショップを通じて全国に販売。地元の小売店や百貨店、ホテルなど、B to Bでの販売も行っています。
「栽培しているハーブは、60種類を超えています。Herbal Styleのハーブは、無農薬栽培です。無農薬で栽培すると、その畑には自然の良い循環が生まれます」

福山大学との連携によるIoTシステム導入で生産効率が大幅改善
Herbal Styleはハーブの栽培において、2023年から福山大学と連携し、IoTを活用したスマート農業を取り入れています。
「ビジネスコンテストで優秀賞を獲得したことにより、大手企業がスポンサーになりました。この企業から福山大学工学部電気電子工学科(旧スマートシステム学科)・歌谷 昌弘(うたたに まさひろ)教授を紹介していただき、IoTを活用した農業の実践で研究協力することになったのです」
福山大学との協力で、畑の気温・湿度・地温の測定装置を設置。土壌中の状態を常に測定し、PCでそれを確認できるシステムを導入しました。
Herbal Styleでは多種多様なハーブを栽培。ハーブの原産地は乾燥地や湿地など、種類によってさまざまで、それぞれ最適な生育環境が異なります。そのため、ハーブの種類に合わせて水やりをするなど、環境を調整する必要があります。
「システムの導入前は、目視や体感によって判断していましたので、うまく栽培できないことが多かったです。システム導入により、数値で判断できるので、確実性の高い作業が行えるようになりました。また、畑まで足を運ばなくても確認できるのも助かりますね」
Herbal Styleは種まきからハーブの栽培をします。システムを導入するまでは、発芽して生育するのが全体の1〜2%だったこともあるそうですが、システム導入により、発芽・生育が90%以上に大きく改善しました。

ハーブ事業を通じて地域を活性化
宮澤さんは、新たな展開に向けて、大学との連携を更に深めようと考えているそうです。
「井戸水をくみ取り、散水するシステムの実現に向け、歌谷教授と話し合いを重ねているところです。また、神戸女子大学の家政学部 家政学科・大森 正子(おおもり まさこ)准教授が進めている、バラ生体水による6次産業化への協力のお話もいただいております」
さらには、地元だけでなく、県外の飲食店からも店舗でハーブティーを出したいといった声もあるそうで、ハーブの需要が想像以上にあると感じていると宮澤さん。
「ハーブ事業に取り組むことで、環境保全ができ、さらに地域のシニアの方の雇用が生まれました。弊社では月に1回カフェを開いており、地域の憩いの場にもなっています。ハーブで地域に循環が生まれ、地域が元気になっていると感じています。今後も地域が元気になるよう、ハーブ事業を続けていきたいです」と、宮澤さんは意気込みます。


- 株式会社Herbal Style
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私たちハーバルスタイルは、環境教育や里山保全、人材育成など地域活性化にも取り組む企業として「自然からの贈り物で、地域をプロデュース」をテーマに、従来の“つくる・売る” という農業のあり方を超え、社会における6次産業の新しい価値づくりを目指し取り組んでいます。
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