SDGsプロジェクト
ストーリー
誰もが暮らしやすい社会をめざし、ひとり親家庭の支援をする「こどもステーション」

子育てに喜びを感じ、こどもが生き生き暮らせるように
NPO法人こどもステーションは、2005年に任意団体として設立され、2010年にNPO法人として認証された団体です。ひとり親家庭のサポートや面会交流支援、親と子の居場所づくり、DVの防止・啓発活動をはじめ、「こどもを生み育てることに喜びを感じ、こどもたちが生き生きと暮らせる社会」をめざす取組を幅広く展開しています。
「こども食堂もこちゃん」は、2015年にひとり親家庭のサポート活動としてスタート。さらに、ひとり親家庭に食品を配送する「もこちゃんパック」を2019年に開始しました。
読み聴かせから始まり、居場所づくり、ひとり親家庭支援へ展開
代表理事の奥野しのぶさんは、活動を始めた経緯について次のように話します。
「もともと当団体は、子育て中の親と子に公民館等で読み聴かせをするサロン『こども文庫』を開催する団体として、2002年にスタートしました。活動を継続していくうちに、必要とされているのは『場』『空間』なのだと感じ、まず初めに、2005年に親と子の憩いのスペース『ひだまり』を開始し、安心して集える常設型の拠点を作るべく動き始めました。
その後、広島県の「子育て応援イクちゃんサービス」のご縁をいただき、広島ガス東中国株式会社から活動への理解・協力を得て、2012年に常設の子育てひろば「もこルーム」の開設に至ります。」
「『もこルーム』は、親と子のための居場所。誰もが安心して集い、お互いにこどもたちを見守りながら語り合えるスペースです」


「もこちゃん」を通じて親子の会話が増えたという声も
利用者やスタッフの声からひとり親家庭の支援の必要性を感じた奥野さんは、2014年から「しんぐるまざぁずカフェ」を開始しました。これは、シングルマザーや離婚を考えている女性のための交流・相談の場で、毎月一回集いの場を開いています。
活動の中で、利用者から「たまには大勢で食事がしたい」などの声があったことから 、ピクニックやバーベキューを企画しました。 そして、2015年に、こども食堂をスタートさせました。 シングルマザーのご家庭は、土曜日も母親が仕事に出かけていることも多いため、子どもだけでも来やすいようにと、2015年「こども食堂もこちゃん」と命名して活動してきました。
「こども食堂もこちゃん」はおおむね月1度のペースで開催されており、毎回定員の50食分の参加があるとのことです。野菜を多めに入れたり、旬のものを取り入れて季節が感じられるようにしたりするといった工夫をしているほか、家庭の事情に合わせて「もこルーム」で食べたり、弁当を持ち帰って家族で食べたりすることも可能です。
利用者からは「こどもから『この料理は何でできているの?』『この食材は何ていうもの?』といった質問をされたりして、親子での会話が増えた」という感想も多いといいます。「こどもからのリクエストで自宅でもつくってみたいので、レシピを教えて欲しい」という声もあるそうです。
寺院などの協力で集まった食料品をひとり親家庭へ配布
「こども食堂もこちゃん」と同じく、ひとり親家庭へのサポートとして行っている活動が、食料品支援の「もこちゃんパック」です。奥野さんが観た映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』のワンシーンでフードドライブが出てきたことをきっかけに、同団体でも取り入れてみようと思い立ちました。フードドライブとは、ご家庭や企業などで余っている未利用食品を回収拠点に持ち寄り、必要な方に届ける活動です。こどもステーションは、その拠点の一つとなっています。
「最初は、当団体のリサイクルコーナーに利用者の方をお連れし、必要なものがないかをお聞きして、お渡ししていました。どなたからもとても感謝され、なかには涙する方もいました。。食料品支援の必要性を感じました」
そこで、こどもステーションまで訪れることが困難な県内の家庭を対象に、食料品をパッケージングし、配送する活動を開始しました。これが「もこちゃんパック」です。配送する食料品は、一次加工品やレトルト食品・インスタント食品・果物・調味料などです。クール便で肉や、つきたてのお餅を送ったこともあります。
「最初、お世話になっている寺院に食料品の寄付をお願いしたところ、快く協力してくださいました。寺院では奉納品として食料品が納められますが、それを、仏様からのおさがりとしていただいています。その後、市内の寺院にお願いのお手紙をお送りしたところ、多くの寺院の協力を得られるようになりました。」
こども食堂への社会の関心が集まり始めると、個人からの食品寄付の問合せも増えてきました。今では寺院だけではなく、地域の一般の方からの寄付も集まっています。中には、遠く大崎上島から、年2回、お米を届けに来てくれる方もいるそうです。
福山市社会福祉協議会やNPO法人フードバンク福山を通じて、“お米やお菓子をこども食堂に”と寄付をいただいているほか、年に一回継続開催している「しんぐるまざぁずフェスタ」で行うフードドライブのために、毎年パックご飯を寄付してくれる企業もあるとのことです。
「こども食堂や食品配布は、食品の寄付だけでは運営できませんので、助成を受けながら運営してきました。しかし、助成金での活動には限界があるため、配送や食材購入に係る経費など、寄付金なども活用しながら運営できるようになることを願っています。


就職支援やジェンダー問題解決などに向けた取組も
「『もこちゃん』や『もこちゃんパック』はとても喜ばれている活動ですが、利用者数が増えればいいというものではなく、目的としているのは、必要な相談を受け、必要なサポートをすることです。『もこちゃん』や『もこちゃんパック』は、そのための入口・きっかけづくりであると私たちは捉えています。活動を通じて、各家庭と信頼関係を築いていきたいのです」
さらに奥野さんは、今取り組んでいる支援は「現在」を中心にしているが、今後は「これからのこと」に対する支援にも力を入れていきたいと話します。
「例えば、ひとり親家庭の保護者の就労支援。生活の安定につなげ、安心して暮らせるようにサポートをしていければと思います。そのための仕組みづくりをめざしたいですね」
こどもの人権の問題やひとり親家庭の問題、DVの問題などを突き詰めていくと、ジェンダーの問題が根本にあると奥野さんは考えています。こどもステーションでは、ジェンダー問題の解決をめざし、企業との連携などにも力を入れていきたいとのことです。



- NPO法人こどもステーション
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事業内容
親と子の居場所づくり事業
保育サポート事業
ひとり親家庭支援事業
子ども・若年層支援事業
面会交流支援事業
相談・アドボケート事業
広報・啓発事業
その他(子育て環境整備などに関する事業)WEBサイト
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